戯言日記

日常についての備忘録

INTPはINFPになり得るか 〜性格タイプは後天的に変化する、その可能性③〜

前回、実際の私の経験を踏まえて人がその人生の中でINFPとENFPの間で行き来するという現象を考えてみた。今回はINTPとINFPとの間で性格の変化があり得るのかという観点から迫ってみたい。

 

以前、私は医療機関自閉症と診断されたことのあるINTPと思しき若者に接したことがあった。彼はその診断を受けた前後の期間において鬱症状を呈しており、認知機能の顕著な低下が確認されていた。その認知機能の低下は具体的には思考力や記憶力の低下として現れていて、本人は強烈な不安感や恐怖感を感じている様に思われた。そのため、彼の性格パターンは鬱症状になる以前の彼とは異なる様相を呈していた。その性格パターンとは詰まるところINFPのそれであった。より正確に言うならばINTPからINFPになろうとしているが、INFPになりきれていないという印象のものだった。それまで他人の感情を読むことをあまりしてこなかった彼は、対人恐怖から周囲の人間の感情を読んでそのストレスに適応しようと懸命に脳を働かせていたように見られた。しかし、その後鬱症状の治療が進むにつれて彼の不安感、恐怖感とINFPとして生きようとする傾向はなりを潜めていって、代わりに思考力が回復して彼本来のINTPとしての特徴が戻ってきた。そして、INTPとINFPのそれぞれの時期において彼の興味、関心、感情、行動といった性格パターンに関するあらゆることがガラリと変わったのが確認されたのである。

 

このような結果は、病気や障害、成長や回復によって脳機能のバランスが変わるとその性格パターンが変わることを示唆している。そのバランスの変化が長期にわたって続けば性格パターンの変化はやはり長期に渡って固定されるのであろう。このことから、前回考えたINFPとENFP間という内向的、外向的な側面だけで変化というのは起こるのではなく、INTPとINFP間という判断機能の面からも変化は起こり得るということが考えられるのである。そしておそらくは特定条件下では知覚機能の面からも変化は起こり得ることが推測される。

 

今回は病気や障害というネガティブな面からのアプローチになったが、ポジティブな面からも何らかの性格変化というのは起き得るかもしれない。実際、以前にINTPの知人が論理的思考力を身につけることでINTPとしての性格に成長したということを紹介したが、それは遺伝によって完全に決められていた道ではなく、環境に適応して心理機能を発達させた結果であったのかもしれない。そう考えると、人間の持つ可能性というのは未だ計り知れないところがあると考えさせられるのである。